東京・世田谷の、星を賣る店へ

休日を利用して、関東へ日帰りで行ってきました。 お目当ては二つ。ひとつは逗子の神奈川近美・葉山館へ、先日ブログでもご紹介した柳瀬正夢の展覧会を見てきました。おもしろい見聞があったのですが、こちらはまた別の機会に。 もうひとつは世田谷文学館で…

詩人、歌人とその妻・吉野登美子

吉野登美子という女性をご存知でしょうか。 大正期の詩人・八木重吉の妻として愛を受け、夫が早逝してのち二十年して、歌人の吉野秀雄の半生に寄り添いました。そうといわれてぴんとこない不勉強な私ですが、この本にはとくべつ引き寄せられる力があって、素…

サムシング・クールの時代

「そこに石膏の男が坐っている.石膏の唇がケイレンする.『タスケテクレ!』と絶叫する.それをスケッチする男がいる.Kuroda Iriはこのようなモビイルの世界にリキュウルのようなスポンタニティの流れを導入しようとしているのであると思いたいような気が…

柳瀬正夢全集、刊行開始

手に取った際のずしりとした感触 と、作品を大胆に切り取ったカバーデザインから、何やらただならぬ佇まいを感じさせる本書。京都左京区の出版社「三人社」より順次刊行が決定した、 画家・柳瀬正夢の全集(全四巻+別巻一)第一巻がこのたび当店の書架に並…

海炭市叙景――映画と小説

「原作小説の映画化」と耳にすれ ば、作品や著者をよく知らないでもがぜん気になってしまう性格です。二度おいしいという発想で、欲張りなのでしょうか。原作が未読であれば、観て から読むか、読んでから観るかという悩ましい問題にぶち当たります。よほど…

小島信夫からのラヴ・レター

これは難解な小説に当たってしまった、と取っかかりからつまづくようです。読みづらい。どれも文章は平易で語り口は優しく、音読するにはむしろ滑らかに進み過ぎてしまうくらい。それが恐いようで、じっさい、文意を取れないまま置き去りにされている読者が…

「街の本屋」海文堂書店閉店に思う

このたびご紹介するのは、神戸の編集会社くとうてんより発行される雑誌『ほんまに』第15号。一読して、悔しくもうらやましいという気持ちを味わいました。特集と題されて「[街の本屋]海文堂書店閉店に思う」。一書店への愛と惜別の念が盛りに盛られた一冊…