2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

英米選りすぐりの怪談物語

こう暑くてたまらない季節になるとほしくなるのが、身を凍りつかせるような恐怖話。昔ながらの風物詩というのか、読めば体温が下がるといった実際的な効用は知りませんが、よい物語へ没入すると暑さを忘れるということはあります。老若男女かかわらず強い関…

ゴーリー絵本の描線

今月より当店オンラインショップにてご紹介している「エドワード・ゴーリーとこわい絵本」。河出書房新社より新訳『蟲の神』の刊行と、ゴーリー絵本の全点重版を記念し、またこれらの翻訳を手がけられた柴田元幸さん責任編集による『Monkey vol.3』の特集に…

つながっている紙

本屋で働く端くれとして、本を読んではじめて知って恥ずかしくなることがあります。こんなことを自分は知らなかった、というより、そういうことへ関心を持たなかった自分がです。 たとえば本で使われる紙について。「『文庫っていうのはね、みんな色が違うん…

野武士のように読みたい本

「『ハラが減ったからメシを食うだけ』という、真っ直ぐで単純な、潔い、図太いばかりの食事態度」「インターネットだの、情報誌だの、テレビだので見て、調べて出かけていくなんてことは一切しない。自分が生きてゆく道すがらで、腹が減ったとき、そこにあ…

建築と巡礼

「何でも自分のものにして持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。ぼくは見るだけにしてるんだ。そして立ち去るときにはそれを頭の中へしまっておくのさ」とは、ヤンソンがスナフキンにしゃべらせた台詞のひとつ。そのほうが重いカバンを引きずって帰るよ…