2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『富士日記』(著者:武田百合子)の上巻を読み終えて。

12/17(水)の20時から、当店イベントスペース・コテージにて【コテージの読書会 vol.1】(主宰:ミズモトアキラ氏)が開催される。課題図書は、武田百合子の『富士日記』。日記文学の最高傑作と名高い本書だが、読み手の私は日記文学に触れたこともない超初…

なんたってドーナツ

『なんたってドーナツ』(ちくま文庫)は、編集者/文筆家の早川茉莉さんがドーナツをテーマに、古今の短い読み物を選び出し、書き下ろしをまとめられたアンソロジー。書き物をお仕事とされる方のほか、編集者の三島邦弘さんや丹所千佳さん、イラストレーターの…

朝露通信

小説家、保坂和志さんの新作『朝露通信』。じつに不思議な感触の中編です。書き出しはこう。「たびたびあなたに話してきたことだが僕は鎌倉が好きだ」。ヴィクトル・ユゴーの『ライン河幻想紀行』から引用したものだと作家本人がおっしゃるのを聞きました。…

悪童日記

映画『悪童日記』を劇場で観ました。私は先に原作の翻訳小説(アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 / 早川書房)を読んでいたので、映像で後追いするかたちになりました。こうすると物語の筋が頭に入っているので、映画の展開が読めずはらはらする楽しみは減ります…

『ひとり料理 これだけあれば』、があれば。

10月初旬に『ひとり料理―これだけあれば―』(京阪神エルマガジン社)が店頭に並んだ時、「あぁ、やっぱり料理しなければならないのか」と感じたのを覚えている。こういう書籍が出版されていることはおそらく単身者の食生活が想像の通り悲惨な状況だからだろ…

いつか来た町

ぼんやりしているときによく、ここではないどこかの場所を考えているときがあります。歩いてすぐ行ける場所であったり、自転車やバスを使って足を伸ばしたり、電車を乗り継いでたどり着く街。長い時間かけて行きつく道。自分が歩いたときのことを思い出した…